事業内容
ヘアカラー剤、ヘアスタイリング剤、パーマ剤、シャンプー、リンス、ヘアトリートメント、薬用発毛促進剤、パーマ用器具類の製造および販売(国内・輸出)など
ご担当者
経営戦略部 経営企画グループ 統括マネージャー 緒方 博行 氏
- ブランド推進ワークショップ導入のきっかけは?
- 当社の場合、導入にあたり3つのポイントがありました。
1つ目は、創業して50年以上経ち、国内市場としてはトップメーカーになりましたが、国内は成熟市場となり、トップメーカーとしてこれからも成長しつづけていく為に、何をすべきかと考えた時に、「新製品ばかりではなく、もっと土台となるものを磨き上げていくことが重要だ」と感じました。
それを磨きあげていく為には、「挑戦していくこと」と、「守っていくべきもの」があり、「ミルボンらしくどう成長していくか」を大事にしたいと考えました。
そういった成長のあり方を目指し、継承すべきものを継承していきながら、成長していく為には、「もう一度我々の強みを見つけていこう」と考えたのが最初のポイントです。
2つ目は、継続的に成長していく為には、我々自身がグローバル企業を目指す上で、「地位的な拡大」という意味の「海外市場の展開」も、非常に重要になってくると考えております。ここ5年ほどグローバル戦略の中で、海外に目を向け、海外市場を広げているのですが、海外に行けば国内とは全く逆で「チャレンジャー」になります。
そのような知名度が十分に浸透していない状況下で勝負をする為には、やはり「ブランド力」という意味で、企業名などがしっかりエンドユーザーに認知されないと、なかなか海外で勝負していくのは難しいと考えています。ただし、認知度の高いメガメーカーが多数存在し、弊社の様な小さい企業が生き残っていく為には、国内同様、「我々の強み」について、国内・海外両社員が、「しっかりと確認しておくべきもの」が必要だと感じました。海外でチャレンジャーの精神を持ち、スピード感のある海外展開を考えた時に、ブランド力を高めていかなければならないと痛感しました。
3つ目は、国内海外含め、グループの人材が増えている状況にあり、国籍も違えば性別・キャリアも違うメンバーが混在する環境下で、全社員が「我々の本当の強みは何なのか」と考えた時に、それぞれの国や人の解釈で「我々の強みを理解する」のではなく、全社員が「我々の強みはこれだ」というものを、共通認識している状態にしていかねばならないと感じ、ブランドを見直すことになりました。
「ブランド推進」というのは表現が沢山あり言葉として難しいですが、一言で言えば「“我々らしさを見つけていく”ワークショップ」を実施したいという点が大きなポイントになりました。「自分たちが自分たちの強みを確認できていなかった」という状況が大きかったかもしれません。我々の大きな成長戦略の中でいう「市場の変化」においては、今までは「サロン様=BtoB」だったのかもしれませんが、「もっとその先のお客様はどんな事を考えているのか」ということを把握し、非常に多くの情報を持っている「エンドユーザー様」が、我々のお客様である「サロン様の先のお客様」が、何を考えているのかということをしっかり理解していないと、勝負出来ないのではと考えました。「ブランド」というのは難しい言葉ではありますが、きちんと見直し、我々の強みを若い層・ベテラン層、日本国内外問わず全社員が同じ強みを理解し、持っている状況を作らないといけないと感じました。
- インテグラスを採用した理由?
- 各企業はそれぞれ「経営理念」というものをお持ちかと思いますが、少なくとも弊社の場合、「経営理念」というものが、直接事業やビジネスの中で色濃く反映されていたかと言うと、そういう状況ではなかった為、他社と比較した時、自分達は経営理念はあるものの、ほとんどが「綺麗な額の中に入っているもの」という印象がありました。
そういった状況の中で、どうそれを紐解いていくか、噛み砕いていくかと考えた時に、なかなか「パッケージ化」出来ないと感じました。また、経営理念は企業の根幹に関わるので、信頼関係がとても重要となり、「カスタマイズ」や「フットワークの軽さ」があるパートナーでないと、信頼関係を築くことが出来ないと感じました。
数社ご提案いただいた中で、「どういう企業が成功しているのか」を知る為に、一緒に企業同行してくれたのはインテグラス社だけでした。我々のような中堅企業は、独自性も残しつつ、他社から真似すべき良い点は学びたいと思った時に、企業の紹介だけでなく、同行までしていただいた点が、同じ温度・感覚でプログラムを作っていただけるとう点で共感度が高かったです。なかなか他のパートナーさんにはなく、こういった点が採用の決め手となりました。
今回は初の試みだったので、経営の根幹に関わる部分ですし、企画者側も不安も多かった中、一方的に意見を押し付けるのではなく、同じ目線で一緒に課題を見ていただけた点が良かったです。
- 導入効果について
- 一番効果として大きかった点は、ざっくりした言い方をすれば「社員のモチベーションが上がった」ことです。研修は自己啓発の形式が多く、「自分はどうするのか」を突き詰める場合が多いですが、今回のワークショップは、初めて「会社の未来を考える」ということを行いました。
結果的に思った以上に社員の皆さんが「会社の未来」のことを真剣に考え、「○○をした方が良いのでは」、「○○は改善した方が良いのでは」など、良い点・悪い点、きちんと素直にワークショップ内で言っていただけた点がとても有意義だったと思います。
また、その様なワークショップを老若男女、国籍問わず全員で行っていく中で「ミルボンは思った以上にグローバルな会社で、もっとやっていかなければいけないことが沢山ある」と前向きにこのワークショップを捉えていただけた点が非常に良かったと思います。
参加者からは「ミルボンのことがもっと好きになった」「何かを変えていけそうな予感がする」「その為に自分達が各セクションに戻って○○をやっていきたい」といった意見をいただきました。また、総務・生産などバックス部門も混在でワークショップを実施した為、他部門の業務の理解や交流にも繋がり、生産部の方からは「単純に蓋を閉める作業も、エンドユーザー様がそんな思いで商品を使ってくれているのかを知った」、「営業部門がそんな思いで営業をしていたか知れただけでも、普段の作業を前向きに感じた」と言っていただけで嬉しかったです。社員同士、「お互いを知らないだけ」で、知るきっかけを与えてあげれば、自分達で行動に移すことができ、「みなで会社を造っていく」というイメージを作りやすかったのではと思います。
あとは、こういった取り組みを普通は「人事」が「人材育成」として企画し、どうしても堅苦しくなってしまいますが、今回は「経営戦略」として、「人事」と「経営企画」が連携して企画できた点がとても良かったと考えています。
「経営戦略の中から人材がどうあるべきか」という考え方をしていかないと、社員に浸透していかず、「人事」と「経営企画」の関係性はとても重要であると感じました。「採用」にも通じる考え方だと思います。
「経営戦略を理解する」という点でも、今回のようなワークショップは、プログラムを考える段階から「人事」と「経営企画」が協業して企画した方が良いのではと思います。
- 今後のミルボンの展開について
- 人が育たないことには成長しようにも出来ないと考えているので、ミルボンの戦略としては、「いかにやらないことを決めるか」ということは難しいですが、「しっかりと髪を中核にし、美容師さんを通じてのビジネス」を大事にし、チャネルという意味では、それしかやらないと考えております。チャネルを広げるのではなく、その中でいかに深堀りしていくかという点がミッションだと思っています。
弊社は「潰れない会社」というのを掲げているように、いかに「潰れないか」ということを考えており、会社が潰れると社員も社員の家族もお客様も不幸にしてしまうので、我々自身が生き残っていく為にも、手広くやるのは簡単かもしれませんが、「深堀り」していくことは、とても大事だと考えています。絞った中でいかに可能性を広げていくかを考えていく必要があるのではと思っています。
海外比率も今はまだ12.3%ですが、10年後は30~40%くらいは目指していきたいと考えています。その為にも、社員の一人ひとりが、事業領域が狭い中で、今回のワークショップを通じて「今後何ができるのであろう」「もっと自分達に出来ることはある」という可能性に気づいていただけたのは大きかったと思います。
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